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はたらく女性の就業支援

 最近とある企業様にお伺いして社員研修の企画を練っていた時のことである。

 ある幹部の方から、女性社員を対象とした「意識改革」や「キャリアアップ」、「仕事と家庭の両立」等のテーマを組み込みたいとの声があり、私共を含めた検討メンバーで討議した。はたらく女性の活躍を推進することは国の重点取組み事項として法律にも制定され、まさに時宜を得たテーマであるように思えた。しかし検討を進める中で、女性社員達はその研修に進んで参加して頂けるだろうか、との疑問がメンバー全体に広がった。現状を振り返ってみると、女性社員の中で管理職となっている方はほんの一握りであり、多くの女性社員達は結婚や出産を機に退職されていた。また、産休明け後に元の職場で以前と同じ環境で働く方は稀であった。その背景には職種別の人事制度があり、役割や評価基準、処遇の設定が女性の活躍を必ずしも後押ししていない状況があると思われた。

 このような環境の中で、女性の活躍推進を当の女性社員の意識改革や能力開発のみに求めることは困難であることは明らかであった。女性の活躍推進は、それを可能にする企業の体制づくりと女性社員の就業支援が両輪となってはじめて可能となるものである。しかし実態としては、上記の企業のように体制づくりに課題を抱える企業は多い。

よって、女性の活躍推進のためには、それを後押しする企業の体制づくりが前提となる。

それは、就労形態に制約を持つ社員が持てる力を発揮できる体制づくりに他ならない。特に経営資源に制約のある中小企業には重要な戦略となるはずである。現に、周りを見渡してみるとパート女性社員がものづくりの現場で、販売の現場で又は管理業務の現場で主力として活用されているケースもある。これらの成功事例から学ぶことも多いはずである。

(添嶋 真人)

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