社員研修責任者が取り入れるべき視点とは?
社員研修責任者がせっかく大きな労力をかけて教育計画を策定したとしても、当の社員達からは批判的な反応が返ってくることがあります。「研修を受けたからといって、どう変わるのか」「社員研修責任者は自分たちの仕事を理解しているのか」「自分のキャリアプランについてとやかく言われたくない」「自分なりに部下を育成しているのに」などの声をよく耳にします。
一般的に、人は経験を積めば積むほど成功体験も増え、自分の考え方に自信を持つようになり、これまでの仕事の進め方を他人に指導されることを好まないようになります。社員研修責任者は、このような社員の心理的な傾向も踏まえ、社員に前向きに活用してもらえる社員研修を計画しなければなりません。
その意味で、社員研修責任者は社員研修の対象となる社員へのマーケティング志向を持つことが望まれます。能力開発は誰のために、何のために行われるのか、能力開発によって問題が解決されると、どういう効果が期待できるのかなど、社員の抱える問題解決にフォーカスする姿勢が重要です。
そのためには、以下の視点を研修担当者が持つとよいでしょう。
①いままで、誰がどんな教育をしてきたか
②その方法で成果がでたか
③公平な教育になっているか
④過去に成功しなかった要因は把握されているか
⑤能力開発の計画は理解されているか。されていなければ誰を説得し、啓蒙するのか
⑥能力開発の計画に賛同していない者の主張を十分聴き取ったか
⑦他部門との交渉は十分か
⑧そのほかに、その職場で特に留意すべき視点はないか
社員研修責任者にとって貢献すべき顧客は、社員研修を受講する社員であることを再認識する必要があります。